東北観劇めぐり②~仙台編~

仙台と言えば牛タンである。普段はほとんど食べないが、仙台に行くと食べたくなる。というか、仙台に向かう新幹線に乗った途端に食べたくなる。念のために付け加えると、盛岡とか山形とか青森とかが目的で仙台方面の新幹線に乗っただけではこうはならない。仙台に行くんだ、と思った瞬間から、なぜか牛タンである。

 というわけで、昨年に続き、宮城県高校演劇コンクールの青葉地区大会に行ってきました。宮城県の地区大会は、僕にとっては「驚くべきこと」の多い大会。一昨年に初めて泉・宮城野地区に審査員で伺った際にまず驚いたのが、同じ県内の他地区の顧問の先生方が審査員を務める、ということだった。外部から2名、県内の顧問が1名、という布陣が大半で、福島県では考えられないシステム。でも、よくよくお話を伺うと、県内の顧問の先生方にとっては非常に勉強になっていること、あまりお金をかけずに3人という適正な審査員を確保できること、など利点は多いようだ(会津地区は予算の関係で外部から2名の審査員をお願いしているが、2名ってキツイですよね、たぶん)。それから、「これもいいなあ」と思うのが、地区大会の際に配られるパンフレット。県内各地区大会のすべてを掲載したパンフレットなのである(県大会のパンフレットが別に作られるのかはわかりません)。ただ、これって、どこが作るのでしょう。県の事務局?県大会の事務局?いずれにしろとても大変そうです。それに、地区大会の開催時期の幅が大きい福島県ではちょっと無理かもしれない。さらに、これは青葉地区だけかもしれないが、審査会の裏番組で「交流会」(各校のパフォーマンス大会みたいなもの)が催される。全国大会みたい。すごい。審査が早く終わったので見学させてもらった。どの学校も楽しそうでした。

 さて、仙台に出発する時間が遅かったので郡山で夕飯を食べてから向かったのだが、駅からホテルまでの道の途中に「五橋横丁」という雰囲気の良い飲食街があって、その一角を占める牛タン専門店に目が留まってしまった。食べたいが満腹である。明日からの観劇にそなえて早く寝なければならない。たかが牛タン、されど牛タン。何をしに来たのかを考えろ、牛タンで頭がいっぱいになっているようではいけない、・・・おいしかったです。

 ところで、今年の青葉地区大会は外部審査員3名でした。いろいろお話ができて本当に勉強になります。開会式である審査員がおっしゃっていたことがとても印象的だった。「私は地区大会の審査が一番好きである、誰にも選ばれてきていない作品を観ることができるから」。なるほど、と思いました。そのもっとも純粋な作品を観劇。10作品から2作品を県大会に推薦した。みなレベルも高いのにこの狭き門。自分の苦悩もさることながら、単純に少しかわいそうだなと思った次第。

 帰りの新幹線に乗る直前、急にお土産を買おうと思い立ち、売店をウロウロしたあげくに買ったのは、お土産ではなく「牛タン弁当」でした。おいしかったです。(次回は「東北観劇めぐり」~山形編)(M)